Demension2 ー 無意識への非言語アプローチ(苫米地式コーチングの特徴より)

ふたつ目の次元は、苫米地式認定コーチならではのコーチングアプローチです。

  

認知科学者苫米地英人博士が独自に培ってきたコーチングのアプローチがあります。 これこそが「認知科学」の「次のパラダイム」であるという事が言えます。 認知科学の真っただ中にいた苫米地博士だからこそ、 そのパラダイムの限界に行き当たります。

  

ひとつのパラダイムには、寿命があります。 そして、苫米地博士の中で、新しいパラダイムへのシフトが起きました。

そのパラダイムを使って、無意識への非言語によるアプローチを行うのが 苫米地式のコーチングの大きな特徴のひとつなのです。

このパラダイムは「情報宇宙」と言うものを考えるところから始まります。 現在私たちが見ている、または存在を感じていると思っている目の前の (物理)宇宙は、実は情報宇宙の写像であり、本来は情報宇宙の方が 上位にあるという概念をベースとしています。 情報の方が先なのです。

 

苫米地博士は、現代分析哲学の存在論、数理モデルの集合論を用いて、 お釈迦様の説く「空」の定義を含む宇宙を、「包摂半順序束」という モデルを使って説明しています。 「包摂半順序束」は、よく藁(ワラ)でくるまれた水戸納豆に例えられます。 この水戸納豆を縦に置くと、上部と下部が束ねられていますよね。 これが宇宙を現すモデルなのです。

  

中に入っている納豆の粒が概念を現します。 その概念は、納豆の糸で概念同士がつながっているのです。 しかも、これらの概念は常に動的につながりを変えているというのが このモデルの特徴です。 (詳しくは、ブログ記事:「認知科学ってオワコンなの?」 もご覧ください。)

  

上位概念にフォーカスした場合、その上位概念は下位概念より 抽象度が高いと表現します。 そして、この上位/下位は情報量と言うもので区別されます。 情報量が多ければ、下位の概念になります。 簡単に言うと、より具体的という事です。 繰り返しますが、情報が先です。 つまりは、情報宇宙の方に変化が起きれば、物理宇宙にも 当然変化が起こります。 情報が変われば、物理が変わる。 物理側は、情報側と恒常性を保とうとするのです。

  

この事がすなわち、 「サイバー(情報空間)におけるホメオスタシス(恒常性維持機能)」 と言う事なのです。

  

サイバー・ホメオスタシス・コーチングは、 この事を元に名づけられた名前です。 苫米地式コーチングは、この情報場に働きかけを行います。 言葉での働きかけは無意識の反発を誘発する可能性があります。 ですから、CHCではクライアント様の問題に対する言葉での 指示等(こうしましょう、ああしましょう)はあまりありません。 もちろん、何もしゃべらないわけではありません。 必要な場合は、理論の説明や技術的なプロポーザル(提言)はしますが、 問題自体に対する対処法の様なものを言葉で表現する事は ほとんどないのです。 この様な考えが、言語を超越した非言語でのコーチングアプローチとなります。

  

これが、認知科学のさらに先のパラダイムに則ったコーチング と言う事が言えるわけです。

主役は常にあなたなのです。 あなたの選択により、未来が決定します。 その未来により、現在、過去が決定します。

  

順番が、逆なのです。

 

これは無意識へのアプローチとなります。 人間は無意識には逆らえないのです。

 

生理学者でもあり、医師でもあるベンジャミン・リベットの実験で有名な「自由意志」の問題があります。 人間が自分で”意識して行動した”と思うより先に、無意識はすでに判断と行動をしてしまっているというものです。 つまり、「自分でやった」という意識的な感覚は単なる「錯覚」にすぎないというものです。

 

意識的な何かを変えるより、無意識を変える事の意義、重要性がこのことからもお分かりいただけるのではないでしょうか?

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